浪漫飛行-1 紅い唇から紡がれた言葉。 それが全ての始まり。 鳥籠の中で私は誰かを待っていた。 名前も顔も知らない誰かを待っていた。 「私をここから連れ去って」 紅い唇が紡いだ言葉が、私と彼とを引き寄せる。 驚いた顔をした貴方の手を引き、私達は駆け出す。 後ろを振り返る術を私は知らないから、ただ歩みを進める。 さぁ、その手を取って。 月夜を二人で走り去ろうよ。