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手紙
【熟女/人妻 官能小説】

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男の手紙・その1-1


拝啓
ご無沙汰をしております。先生、お元気でしょうか。
近頃は少し秋めいてきて、あの暑さが嘘のように思われる今日この頃です。

今、この手紙を書いている旅館の部屋の庭先には、美しい花々が咲いています。
その旅先で、私はこの手紙を書いています。
美しいはずのその花々が、私には何故か寂しげに見えるのは
私の心の中で、後ろめたい思いを感じているせいかもしれません。

その思いとは、もう既に先生は感づいていると私は思うのです。


花々の中には、もう夏も終わりだというのに、
一枝の可愛いオレンジ色をしたホオズキが咲いています。
先生はこのホオズキの花言葉をご存じでしょうか。

それは(偽り・欺まん)という恐ろしい意味があるそうなのですが、
私達にはその意味が、私と彼女を指しているように感じてしまうのです。

その意味のように、先生はこの手紙を見ながら恐らく怒りに震え
到底、私達を許さないと思っていることと思います。
そして、私がこんな失礼な手紙を出すことの憤りに耐えていることでしょう。

今更ではありますが、どうか私達をお許しください。
と、言いましても許す訳がないことも承知をしています。

私達は、旅先のこの美しい古都で深く愛し合っているのです。

私は、先生がかって愛された奥様と今、ここにいます。
そして私の傍らで、彼女は湯上がりの姿で私に寄り添っています。


彼女は少し疲れたのでしょう、穏やかな顔をして眠っています。
少女のように・・
裸の美しく白い肩を少し出して、布団の中で休んでいます。

さきほどまで愛し合ったせいでしょうか、とても満足げな顔をしています。
三度ほどお互いの熱い身体を重ね、奥様は私との繋がりに歓喜していました。

狂うほどに乱れていました。
彼女が昔、先生の奥様だった頃とは、今は別人のようです。


果てた後に言った奥様の言葉・・
私に抱かれながら、甘えた声で言ったのです。
(こんなに幸せなことは今までに無かったわ)と、私に言いました。

人をこんなに愛したこともない・・・とも言いました。
先生は、そんな奥様を想像できないでしょう。

奥様は、私だから許せたのです、心も身体も。
しかし、私は自慢をしているのではありません。

今の私と奥様の偽らざる気持ちを、先生にお伝えしたいからなのです。


いきなり、こんなお手紙を差し上げることをお許し下さい。
どうか、この手紙を破らずに、
最後まで読んで頂けたら嬉しいのです、真実を知って欲しいからなのです。

先生には、今までに大変お世話になりながら、その恩を返さないばかりか、
人として許されない私の行為をこの手紙で知り
さぞ、驚くと同時に私を蔑み、非難することでしょう。

何も知らなければ、過ぎたこととして、
平凡に今までと同じ時間が過ぎていくのでしょうが、
私はどうしても、
このことを先生には言わずにいられずにペンを採りました。

本来なら直にお伺いし、直接お話ししてお許しを請うのが本筋なのですが、
そんなことなど出来るはずもないと思うからなのです。
敢えてこの手紙で告白し、お詫びに代えさせていただくことといたしました。


しかし、わたしがこう申すまでもなく、私の想像ではもう既に先生は
一部始終を察知しておられると、私は推察しています。

正直に言いますと、心から申し訳い気持ちで一杯なのです。
その反面では、私はこれで良いのだと思うのです。

そして、かっての先生の奥様だった君恵様も同じ思いでしょう。





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