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手紙
【熟女/人妻 官能小説】

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男の手紙・その1-2


著名な先生が、
このようになっても未だに奥様と離婚されない理由が私には分かるのです。
偏に、私が原因であるというのも分かっています。

いまだに、私達を許さないという思いなのでしょう。
それ以上に、先生の体面があるということも私は理解しています。

しかし、愛のない夫婦でありながら、ただ一枚の紙にしがみつくこと。
婚姻という事実・・・
それで束縛したつもりでも、私達は深く愛し合っています。



実は、私が向学心で燃えていた頃、数年前に先生の教えを請う為に
先生のお宅を訪れたのがことの始まりでした。

そして私は書生として先生に認めて頂いきました。
本当に嬉しかったのです、あの時の感謝の気持ちは今でも変わりません。


先生は相変わらずお忙しく、大学での講義や出張などで、殆ど家を空けておられました。
先生には、私以外にもお気に入りの書生がいました。
その中で私の仕事は電話の取り次ぎや、先生にくる葉書や書類の整理などでした。


ですから、先生はそんな私のことなどあまり関心がないのでしょう。
いつも先生は、その書生と出かけていましたから。

やれ、学術会議や、研究発表会、更には大学での講義など。
先生が教える学生の中で、可愛い女性が少なくないことも書生から聞きました。

ロマンスグレーで素敵な先生を慕う女子学生が多いことも。
噂では、先生はそういう女性の何人かの学生と関係を持った・・
等ということを聞いて、奥様は胸を痛めていました。

その噂が事実かどうかは、私には分かりません。


ですからそういう中で、
先生と奥様の君恵様との距離が開いていったのも無関係とは言えないのでしょう。



その頃、書生の私は料理も担当していましたので、
奥様にもお作りしていたのを先生はご存じないのでしょう。

始めは、お嬢様育ちの奥様は料理の仕方も知らなかったようです。
でも、今は私と暮らしている奥様も簡単なものは出来るようになっています。

それは私の為に料理教室に通っていましたから。
今は、それがとても楽しいと子供のように嬉しそうなのです。

そんな奥様を先生は想像できないのでしょう。
私は知っている限りのことを奥様に教えました。
ごみの出し方や、買い物など。
勿論、夜の営みも・・

そして、ときには私が雑誌社に出す前の原稿の推敲をしてくれます。


今、私がこんなことを言う資格はないのですが、私は奥様を愛しています。
奥様も同じ思いでしょう。


その奥様との関係を、ここでお話ししなければなりません。


それを告白しなければ、この情況を先生が理解できないと思うからなのです。
はっきり言いますと、始めに言いましたように、
私と奥様とは道ならぬ関係になってしまったのです。

一言だけ、言い訳がましいのですが、私から奥様を誘ったのではありません。
そして、奥様も私を積極的に誘ったのではないのです。

いわゆる、成り行き・・ということです。


奥様は、いつも寂しがっておられました。

先生が著名になり、
殆ど家にいることが無くなるのと比例してそうなったようです。
それは奥様が私に告白したからなのです。

寂しい・・・と




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