チケット-3
……何だろう、これは。
彼女の手書きと思しき何かの券が入っていた。他には、何もない。
指定席? 何の? どういう事なんだろう。まるで分からない。
券には何故か彼女の自画像らしき似顔絵まで可愛く描かれている。
何かの冗談なんだろうか? こういう冗談をする性格に見えないのだが……。
土曜は明日だった。学校は、休みである。
券の裏に、地図が書かれていた。この場所は、サッカー部の部室のようだ。
とにかく明日夜、この場所に来ればいいのだろうか。
あとで直接聞こうかと思ったが、何か彼女が趣向を凝らしたのかもしれないし、聞きにくい。
人はやはり、見た目の印象では分からないものだ。
彼女にも、きっとそういう面があるのだろう。
そういうことを知りたいからこそ、僕は彼女に告白したのだ。
屋上まで歓声が聞こえた。女子ホッケー部のものだ。
早速サクラがゴールを決め、部員に満面の笑みを浮かべ、喜んでいた。
上から彼女たちの様子をしばらく眺めながら、僕は明日学校に来る事に決めた。