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Purple woman
【二次創作 官能小説】

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Purple target-4

数日前、椰子の茂みで行われていた出来事を覗き見していた結果、

誤って小枝を踏んでしまったことで図らずも当事者達によってルールーの顔をはっきりと見られてしまった。


それからどのような行動をとったか、ルールー本人は正確に覚えていない。

ただ男が追いかけてくる、という強迫観念の中で振り向き様一目散に林の中を駆け抜け、
散歩道に出てから家に帰りつくまで走りっぱなしだったことは認識している。
途上何人かに声をかけられたようだったが覚えていない。
幼いイナミを落とさずに家にたどり着くことができただけでも、彼女が“母親としての本能”を放棄していなかった証左であろう。



ただ気持ちが落ち着いてくると、今更ながらに状況の危険性が身体の奥底から沸き起こってくる。

あの茂みの中にいた男女は明らかに男が脅迫と力づくで女を犯している図だった。


そして今のルールーの心境に何かを符合させるかのようなタイミングで食卓を流れる
女性観光客の連続失踪事件のラジオニュース。

あの時の情景をそのニュースと関連付けて考えてしまうのは、

それが目撃者という立場になった者なら至極自然な成り行きだろう。



(・・・・・・)



表面的には何気ない表情を装いつつも、

ルールー自身は自問している。


あれがもし、女性連続失踪事件の被害者と加害者ならば、

加害者らしい男の顔を見たルールーは明らかに目撃者にして加害者側にとって最大の危険人物になりうる。

身の危険を避けるために真っ先にしなければならないのは、やはり“警察への通報”と“夫への告白”。



だがあの時から6日経っているものの、

ルールー自身何気ない風を装ったまま一切の行動を起こしていない。



なぜか。



(・・・熱くなった。自分心の奥の奥から・・・・)


食事を終えた後の食器をとりまとめて流し台にまで運びながら、

ルールー自身その時の自分の感情を信じられない気持ちのまま甦らせようとしていた。




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