Purple target-24
「今夜はルーは一杯も酒を飲んでいなかっただろう?
これからルーは車を運転してまでの大事な用事があるんだ」
「そ・・・そうなの?」
パインとルールーの顔を交互に見比べていたリュックの戸惑いに、
ルールーは苦笑しながら肩をすくめた。
「ありがとうパイン・・・でも今夜はそんなに重要ってわけではないのよ。
ただ今夜は、久しぶりに1人でゆっくりした時間を過ごしかったの・・・・」
ルールー自身何気ない表現を使ったが、
その言葉には彼女自身にしか分からない深い意味があった。
しかしユウナ達3人にはそこまで深くルールーの気持ちを洞察することはできなかった。
ただ額面通りに彼女の言葉を受け入れたのである。
「というわけらしいから、今夜はルールーをゆっくりさせてあげよう」
「う〜〜仕方ないなぁ・・・・・じゃあねル―、今夜はありがとう!!おいしかったよ、この店」
「おやすみ、ルー」
手を振ってくれる3人に対して笑顔で手を振り返し、
ルールーはおもむろに駐車してあった車に乗り込むと手慣れた手つきで車を発進させる。
―――ドルンッ、ドルルルルン・・・・・
彼女が目指すのは、
スピラホテルの別館地域に建てられてあるバンガロー群の1つ。
だがルールーはホテルに着いたら、そのまま目的地に直行するつもりはなかった。
久しぶりに地下にあるバーで一杯いただいてからでも遅くはないわ―――――