Purple target-23
流石にユウナ達は気づかなかったが
かつてラグナに対した時と共通しているのは、
薬指にはめられていた結婚指輪が外されているということ。
「そんなに誉められると照れるわ、もうリュックったら・・・・」
手放しで誉めるリュックや周囲の視線を受けて、
流石のルールーもやや顔を赤らめて誤魔化すような微笑みを浮かべた。
―――このようにルールー達の食事も和やかなうちに終わろうとしていた。
だが彼女が衣裳に込めた真意を、ユウナ達は最後まで見抜くことができなかった――――
島島島島島島島島島島島
―――それから約1時間後、
「・・・やぁ〜〜〜、今夜は本当に腹一杯だったな〜〜〜おいしかった〜〜〜」
うーんと大きく背伸びをして今の自分の素直な感想を言うリュック。
他の3人も互いに顔を見合って微笑みつつも、
リュックの言葉と同意見であるためか否定することはなかった。
既に星明かりや建物周辺に設置されていた街灯を除いて、
辺りは本当に真っ暗になっていた。
そしてレストランの正面玄関に立った4人。
既にルールーが勘定を済ませ、各々がやや気分を高揚させていた。
もっとも4人の中で1人だけルールーについては他の3人とはやや“違った意味”で胸を高鳴らせていた。
それは今回の外行きの本番が間近ということでもあり、
それを誤魔化す為にわざわざユウナ達を最近知られたレストランでの夕食に誘ったのだ。
「・・・じゃあ皆、今日は本当にどうもありがとう。
久しぶりに良い気分転換になったわ。帰りは気をつけて帰るのよ」
「・・・って、待ってよルー。ルーは私達と帰らないの?」
別に駐車場に止めてある愛車の方に歩きかけた時、
リュックが声をかける。
てっきり彼女はルールーも自分達と一緒にバスで帰るのだとばかり思っていたのだ。
そんなリュックに対して、傍らにいたパインがたしなめるようにして肩をたたく。