Purple target-18
島島島島島島島島島島島
―――ブィィィィ・・・・
イサールと別れて帰路につく道すがら、
開け放たれた窓から吹き込む風を感じつつ
ルールーは明日の夜が待ちきれない自分を感じていた。
入り江に来るまでの気持ちの迷いは、いつのまにやら彼女の心の中から溶けさってしまっていた。
(・・・・・・)
信号のない海岸線道路を抜け、漸く市街地の交差点の信号でブレーキを踏んだ時
ルールーは運転中先程までかけていたサングラスを徐に外す。
バックミラー越しにチラリと自分の表情を確認した時、
ルールーは最近自分の中で不足しがちだった“生気”が、
自らの顔に戻ってきていることを確認した。
(・・・いやだ私ったら・・・・まるで結婚する前みたいじゃない)
ルールーは苦笑しつつ、 明日の夜の情景を自分の中に思い起こしつつ口許に微笑みを浮かべる。
そこは愛する夫や息子、更にはユウナ達古い仲間ですら立ち入れない世界。
無論そこにはルールーの車の後方、
2両おいてぴったりと追尾してくる車両の存在も立ち入れない世界――――