花火と浴衣-5
花火大会は予想以上の人出で下駄じゃなくて
サンダルを履いてきて大正解!
下駄を履いて足が痛くなって
おんぶ♪
ってのも考えたけど
痛い思いして思うように事が運べなかったら
失敗だし
ここは、履きなれたサンダルで・・・
すごい人ごみで秋クンを見失いそうになる。
「あ・・秋クン。まって」
一生懸命ついていくけど
離れそうになる秋クンのTシャツのすそを引っ張った。
「ほら」
すっと差し出された手は
女の子として扱ってくれているのか
それとも近所の妹がはぐれないようになのか・・・
少し間が空いた私に
「ん?いやだったらいいけど」
と手を引っ込めようとした。
「あ!ううん。つなぐ!つなぐ!」
ぎゅっっと力を入れて秋クンの手をつないだ右手は
私の全神経が集中した。
秋クン・・・
好きだよ。