第1章-8
部屋の中の、別の机の中には、特別のファイルがあり、
直接この事務所に来た、馴染みの客や特別会員に見せる別のファイルである。
それはマスクを外したリアルな女の写真であり、部屋には飾っていないヌード写真や、
局所をもろだしにしたエロチックな写真もある。
この写真で客の男に女を選ばせるのだ。
また、最近ではネットのブログで女達の情報も見ることが出来る。
それは一般的なブログであり、裸の写真は見られない。
素性を知られたくない女は、
顔を隠してはいるが、特別会員になればパスワードで生顔を見ることが出来る。
さらにプレミア会員ともなれば、女が股を広げたり、恥ずかしいポーズの姿も見られる。
勿論、指定したホテルの部屋に呼び出し、女を楽しむことが出来る。
その会員には、業界の大物や、議員も含まれていると聞く。
常連の客になれば電話で名前を言っただけで、その女を指名することが出来、
客が写真を見て指名すれば、
女が空いていれば、男の指定したホテルの部屋に直行するというわけである。
登録している女の中には、普通のOLもいて、連絡が入れば収入の良い指名を優先し、
会社を早退したりして、ホテルへ直行する女も何人かはいるのだ。
いわゆる、そういう女のOLは仮の姿であり、
狭い部屋で、客の指名を退屈な時間で待つのが厭なだけである。
(めぐみ)という女の場合には、ある時から登録女になった。
彼女の場合には、妹の膨大な治療費を稼ぐ為に紹介されたのである。
その為にわざわざ社員からパートになったという変わった女だった。
携帯に電話が入ると、上司に言ったそうである。
「あの、係長・・申し訳ありません、また病院に行ってきます、このまま・・・」
「あぁ、妹さんだね、良いよ」
理解のある係長は、美しいめぐみに対し寛大である。
めぐみが、店から指名した客の待つホテルへ行き、裸で抱かれ、犯され・・
ある時には、M嬢として縛られることなど、知らずに。
先日は、社長の朝井からの依頼で、或る議員の相手をしたのである。
普段は、紳士然としたその男は、S男であり、めぐみが好みなのだ。
チップは始める前に、10万円ほど渡し、ことに及ぶのである。
めぐみは、その男の脂ぎった身体と腹が出た中年男が苦手だった。
しかし、金の為に男の言いなりになった。
浣腸をされ、排泄物を出し切った、アナルにバックで挿入されて、背中を手で叩かれ、
乳房を鷲づかみされ、逝かされる。
(あぁ、佐々木様・・・めぐみ、逝きそうです・・)
「よし、逝って良いぞ、めぐみ!」
(あんっ!)
逝きながら、母を・・妹を思いながら、涙を出して逝くのである。
それで、佐々木が許す訳が無い。
佐々木はペニスを抜くと、今度は膣の中に挿入し、背中に蝋燭を垂らすのだ。
(あんっ!佐々木様、熱いっ!)
激しい佐々木の突き上げで、めぐみは再び逝かされるのだ。
ドクドクと膣壁を突き抜けるような男の射精を受け、またも逝かされためぐみ。
妹の治療費の為と割り切りながら、それ以外でめぐみは被虐の喜びを知ってしまった。
そして、戻れない身体になった彼女の指名回数は皮肉にも増え続けている。
その店の客達は上客が多く、馴染みの客になるには、
料金の他に高額の入会金を払い特別会員にならなければならない。
売れっ子の女の場合などは、一回の出張サービスで料金以外に10数万円やその倍額、
更にはそれ以上に稼ぐ女もいるのだ。
東京には、こういうことを商売にしている店は一杯あるが、
このドリーム企画は、余り店を広げるのではなく、
特殊であり、どんな客でも良いという店ではなかったし、紹介者が必要である。
それは、客によっては、色々とトラブルが起きる為に客を選別し、
誰でも良いというわけでない。
その為に信頼があり、サービスが良く、客達からはすこぶる評判が良い。
故に、そこに通う客は高額を支払うのだが、金払いは悪くない。
或る議員などは、秘書に写真を届けさせ女とホテルで密会するのだ。
その時には、客も女も秘密裏に行い、それがバレることはない。
女に渡す口止め料は相当なもので、そんな客に会えば女は当分は楽になれる。
そこでの遊びのモードは何種類かあって、話し相手と普通の軽いボディータッチや、
本番でのサービスがあり、別コースではSMプレイもあり、
その中でもソフトとハードがある。
それぞれに、ランク付けがあり、
当然男を喜ばせるテクニックを身につけた女の稼ぎは相当な物であり、
月に数百万円を稼ぐ女もいる。
美紗子が始めに驚いたのは、その部屋一面に飾られている写真だった。
言うまでもなく、客が選ぶ為の沢山の女達の写真である。
その写真は様々な女達で、男達が好みそうな写真ばかりである。
どれも、裸ではないが、乳房が覗けそうな服や下着を着け、色っぽい。
美紗子は、その中に百合子の写真を見つけた。
それは、乳房がこぼれそうな服を着た悩ましい顔の百合子だった。
(あぁ、百合子さん!)
思わず、心の中で叫んだ美紗子だが、その時にはもう決めていた。
(あの百合子さんが、3,4回で10数万なら、私だったら・・)
もう美紗子には迷いはなかった。