−風の凪ぐ町−-4
「いいじゃん。行こう。俺らと町、出よう」
「どうする?」
「…い、行くよ」
町は終わったんだ。なら僕らは何で生きる?
知らない。
怖い。生きる事も、止まることも…
空が暗くなる。
僕らは間違えた。でも、生きてしまったのだから。
今は意味が見つからない。
生きる必要はあるの?
知らない。
「行くぞ」
もう、選んでしまったんだ。
ブランコは結局最後まで止まらない。
…始まった。
「ねぇ。僕ら生きようとしているんだよね…」
「わからない」
誰もわからない。でも…始まってるんだ。
空が夕焼けを越えた。
凪いでいた風が吹き出すかな。いや。
もう終わった町に風は吹かない。
僕らは…
歩き出した。
町を出るために…
生きた。