ハルキ-1
その部屋は広く、ロココ調のソファやドレッサーが上品良く配置されている。天井につるされた小さなシャンデリア。中でも目を惹くのがヨーロッパ風の豪華な天蓋ベッド。全てが高級な物ばかりあるこの部屋でお嬢様は今、執事と戯れの真っ最中。
「っはあぁ……」
一糸まとわぬ白い肌。長い髪を振り乱してお嬢様が腰をくねらせ踊る。弱い快楽だけを与えるように、その手はゆっくりとお嬢様の中心をねぶりつづける。息を荒くし頬を染めるお嬢様に執事が冷ややかな声を出した。
「なんてはしたない」
黒い燕尾服に品の良い赤のネクタイ。お嬢様を裸にさせておきながら自分は着衣を脱がない。あくまでそれが義務だというように淡々と業務をこなしていく。甘い言葉も、熱いキスもくれない。冷たい執事。名前は『ハルキ』。
従順だと思っていた執事にベッドに押し倒され、さらにその手に翻弄されながら淫らな姿をさらしている。そう思っただけでお嬢様のそこはじんわりと熱く濡れていく。
シーツをグッと握りしめて、ハルキの指に合わせるように腰をゆっくり振るお嬢様。
「お願い……はずして早く……はずして」
ハルキが手袋をしたままお嬢様の中を触るのがお気に召さないようだ。手袋をつけていてもお嬢様の中がどれだけ熱く濡れているのか分かる。本当なら手袋を外して触れたいがそれは出来ない規則なのだ。あくまで執事は手袋をはめたまま仕事をする。それにお嬢様に直接触れればご主人の怒りを買ってしまう。
「それはできません。規則ですから」
お嬢様の顔がみるみる悲しくなっていく。それでもハルキは冷たい視線をお嬢様に向けたまま、黙ってそこにゆっくりと2本の指を出し入れする。
「んはっ……そこっ……気持ちいい……」
お嬢様の口から吐き出される甘味を含んだ吐息。お嬢様の奥に触れるたびにハルキの指を締め付け、じんわりと手袋を濡らしていく。中を押し広げるたびにお嬢様が体をのけぞらせて天井を見上げた。
「んっ……ぁ……」
その様子にハルキが少しだけ指の出し入れを早くする。お嬢様の声がだんだん甲高くなって、さっきよりも腰を大きく振り始めた。
「あっ……あ、あ、ああっ!」
ハルキが奥をつくたびにゴリゴリとした何かがお嬢様に大きな刺激をもたらしてくれる。その感触がとても気持ちが良くて、お嬢様がはしたない言葉を口にしながら喘ぐ。
「気持ちいの!ダメっ!もっとぉ!もっと触ってぇ!」
ハルキの手袋はすでにびっちょりで、お嬢様の大事な入口は愛液まみれ。それでもお嬢様の愛液は流れ続け、可愛い口からは相変わらず重く甘美のある吐息が漏れていく。女の喜びに体を震わせながらついにお嬢様は自ら膝をたてて、足を大きく開き始めた。両足の裏をシーツにぴったりとくっつけたかと思うと、今まで以上に腰を高く持ち上げて前後に振り始めた。
「あっ!あっ!ああっ!」
ハルキの指がグイッとお嬢様の奥をついた時と同時にお嬢様の体が震え部屋いっぱいにお嬢様の悲鳴が聞こえた。
「いやああ!」
体の痙攣が一層激しくなったと思ったら、お嬢様はあっけなく達してしまった。余韻の残る体をビクビクと震わせ、ベッドの上で1人息を荒くしているお嬢様。ハルキが冷ややかに見つめたまま、お嬢様の中から指をずるりと抜いた。指は2本だけしか入れていなかったのに、ハルキの手袋はお嬢様の愛液がべっとり付いて手の平まで広がっている。
「ご満足いただけましたでしょうか。お嬢様」
ベッドから一歩さがり、ハルキが丁寧にお辞儀をした。
満足げな笑みを浮かべお嬢様が荒い息のままうなづいた。
「ええ。もちろん。想像以上だったわ。これからも来させてもらうわ。この店」
その言葉に冷ややかだった顔を緩ませてハルキがほほ笑んだ。
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。お嬢様」