「罠」-1
「罠」
「もしもし美雪?結だけど・・・ちょっときてくれないかな。」
美雪が結から相談を受けたのはそれから2週間ほどたったころだった。なんと最近ベランダに精液があるという。6階まで登って来るようなガッツあふれる変態でも居るのだろうか。
美雪は結より4つ年上だが、大学時代サークルで知り合って以来の年の離れた友人だ。以来二人はほぼすべての情報を共有しあっている。ゆもちろん結の新しいセックスパートナーがすごいらしい、というのも知っていた。
「なんかたまにここに出してあるのよ・・・気持ち悪くてさあ」
「でもここ6階でしょ?登って来てするの?すごい努力ね」
「いや、そこは隣を疑おうよ美雪!笑」
「どんな人なの?」
「なんか私立のB高校に一人暮らしで通ってるんだって。男の子よ」
「いや、じゃぜってーそいつだよ!覗きに来たんだね。なんか興奮させるようなことでもしてたの?」
「・・・最近あたしたちカーテン開けてしてんだよね・・・」
「何やってんのよ笑!いいの?それ」
「結構燃えるわよ?やってみなさいよ」
「じゃ今度やってみるわ笑 でもしかし、問題はどうやって捕まえるかよねー・・」
「そうだよね、彼だって証拠があるわけじゃないし・・・」
「あ、じゃあたし待ち伏せしてるからあなた達セックスして!笑」
「恥ずかしいよ!!」
すったもんだの末、結局美雪が待ち伏せし室内で大きな音でAVをかける、という罠を張ることになった。美雪はそんなすごいセックスを見てみたい気もしたが、それは心の奥にしまうことにした。
そして決行の夜がやってくる。