・・・10月-2
「よ!」
30分ほど遅れて達也がお店に入ってきた。
みんなに軽く挨拶をして
さりげなくあたしの横に座る。
当時付き合っていたことは
みんなが知っていることで
ケンカ別れしたわけじゃないから
隣に座っても
不思議がられることはない。
それぞれの隣や前の席と話していたけど
あたしと達也はほとんど話さなかった。
でも・・・
テーブルの下で。
達也の左手とあたしの右手はつながれていた。
おねがい。
達也。こんな事しないで・・・
恋人みたいって
錯覚しちゃうよ。
あのときのままの
あたしたち。
あのときのままの
みんな。
全部。。。
あのときのまま。。。