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白い世界
【幼馴染 官能小説】

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セカンドストーリー-1

あれは高校二年の夏の出来事。

 明日から夏休みという事もあり、その日は誰もが浮かれていた。
 私も例外ではない。明日から始まる一ヶ月半の長期休みの事を思うと嬉しくて仕方なかった。明日からは何をしよう。夏休みは何をして過ごそう。そればかり考えていた。

 「いいかお前ら、夏休みだからと言って羽目をはずすなよ!宿題はちゃんとやれ!登校日にはみんなちゃんと学校に来るんだぞ!」

 担任の先生がそう言うと、みんなが間延びした返事をして教室を出て行く。
 
 私も帰ろうと席を立つと急に担任の先生に名前を呼ばれた。
 
 「笹本」
 
 「はい?」

 「悪いがこれを理科準備室に置いて来てくれ」

 そう言って手渡されたのは何とホルマリン漬けの蛇だった。

 「え〜?」

 「え〜?じゃない。お前は理科係だろ。ほれ、一学期最後の仕事だ。これ置いたら帰って良いから。じゃあ頼むぞ」

 「そんなぁ」

 不満そうな声を出す私に構う事無く、先生が机の上にホルマリン漬けの蛇を置いていく。

 私は仕方なく、ホルマリン付の蛇とカバンを持って理科準備室へと向かった。

 校舎から少し離れた場所にある理科準備室は薄暗くて正直あまり近寄りたくない。

 大体何で理科係なんかになってしまったのかと言えば、係り決めをした日、運悪く私は風邪で休んでいた。翌日学校に来てみれば私は物の見事に理科係に決まっていたというわけだ。

 ホルマリン漬けのカエルや鳥のひなのはく製が見守る中、私はビンを棚にしまった。

 見れば見るほど気色悪い棚の動物達。私は急いで理科準備室を出ようとした。

 でも足が自然に止まる。入り口に彼がいたから。

 綺麗な金髪と濁りのない瞳がじっと私を見ている。

 「里桜」

 静かに名前を呼ばれて全身がびくっとする。

 彼がゆっくりと私に近付く。思わず後ずさりした。一歩彼が近付くたびに、一歩後ろに下がる。一歩、一歩と歩み進めるうちにとうとう私は壁際にまで追い込まれた。胸元でカバンを抱き締める。
 
 怖くて足が震える。

 「里桜」

 もう一度彼が私の名前を呼ぶ。


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