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白い世界
【幼馴染 官能小説】

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セカンドストーリー-2

「どうして俺を避けるの?」

 後少しで手が届きそうな場所で彼が止まる。悲しそうにそう言う彼。

 「どうしてって。別に避けてなんてないよ」

 「里桜!」

 さっきよりも強く名前が呼ばれる。

 「何でそんな嘘つくんだよ!?避けてるんだろ?」

 彼が私の手腕を掴んで泣きそうな顔でそう言った。

 間近で見た彼の顔。
 顔つきが大人びてかっこ良くなっていた。体もしっかりしていてたくましく、身長も私よりも大分高かった。

 あまりのカッコよさに心臓が跳ね上がる。
 昔からきれいな顔をしていたけど、今はきれいさに加え大人びた顔つきになっていた。

 「どうして?何で避けるの?」

 どうしてと言われて答えがあるわけじゃない。
 小学生の頃みんなに批判されて以来、私は彼を避けた。
 それは自分の身を守るため。結局私もみんなと同じだった。表だけの良い子ちゃん。消えかけていたわだかまりが心にふつふつとわき上がる。

 「俺、里桜に嫌われるような事した?したなら謝るよ!」

 「痛いよ。放して」

 思いきり掴まれて思わず顔をしかめる私。それでも彼は私から離れようとしなかった。
 
 「ダメだ。放したら里桜はまた俺を避けるだろ?」
 
 「だから避けてなんてない」

 ついむきになった。

 「嫌いになった?何で?謝るよ。ごめん。里桜を傷つけたなら謝るから!」

 「違うよ。そんな事無いよ。気のせいだよ」
 私は必死に言訳をした。

 嫌いになっていない。けど目を合わす事や近付くことはできなかった。
 
 気がつくといつも自分の視界の端には彼がいた。
 ずっと変わらないと思っていた彼が、男の子から男性へと変わっていたと感じたのはつい最近のこと。

 クラスの女子が「かっこいい」と言っているのを聞いて胸が苦しくなった。

 彼の周りの空気が変わっていくたびに自分の中で何か得体のしれない感情が生まれた。その感情に飲み込まれそうになる度に息苦しさを感じる。

 それはとても切なく、とても悲しい事。涙があふれて自分では止める事が出来なくなる。だけど、どうしても彼の事が気になってしまう。

 心が矛盾する。ぐるぐると頭の中を駆け回って色々なものをひっかきまわす。

 その感情に何という名前がついているのかは知らない。その感情の名前を知るのが怖かった。
 
 「じゃあ、夏休み中、俺に会ってよ」

 


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