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白い世界
【幼馴染 官能小説】

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ファーストストーリー-2

 彼の名前は知っていた。
 彼は有名な裏世界の人間の子供だから。だから近寄ってはいけないと昔母様から言われた事がある。

 小学4年生のクラス替えで私は初めて彼を見た。

 日本人とは違う綺麗な金髪と真っ白な肌。瞳の色も空よりも綺麗な水色をしていた。
 お母さんがイギリス人で自分は半分イギリスの血が混じっているのだと聞いた事がある。
 
 お人形のように綺麗な子供。それが彼に感じた第一印象だった。
 
 大人の言う事は守らなくちゃいけない。だけど小学生の中学年にもなると女の子はみんな大人びた事を言う。表ではちゃんと大人の言う事を守っているけど、目の届かないところでは彼に関わろうとみんな必死だった。
 
 私にはその気持ちが分からなかった。裏世界というものがどれだけ怖いものなのかも、みんなが周りの目を気にして彼に近づこうとしないのかも。だから思い切って彼に話しかけた。彼は驚きながらも私と話をしてくれた。気がつけば私と彼は友達という関係になった。

 だけどある時、私は数人の女子に囲まれた。
 
 『都築君に関わったらいけないんだよ』

 『里桜ちゃんいけないんだ!先生に言いつけるからね!』
 
 『里桜ちゃんいけないんだ』

 口々に女子が私を批判する。
 今思うとそれはただのねたみや負け惜しみみたいなもの。けど子供の私はその言葉を真に受けて彼を避け始めた。

 中学も高校も家から少し距離のある学校を選んだ。彼と同じ学校に行くのが気まずかった。だけど彼も私と同じ学校を受験した。気がつけば小学校から大学まで同じ学校へと進んだ。

 彼はずっと女子に人気があり、何人かの女の子に告白されたがすべて断っていた。理由は好きな子がいるから。

 そんな何気ない一言に胸がざわついた。

 あの時私が彼をさけていなければ、私達はいつまでもいい友達のままだったのかもしれない。だけど、それはもう昔の話。だって私は自分から彼との関係を壊したのだ。もう昔のようには戻れない。

 心にできた小さなわだかまりが時々大きくなっていく。
 その度に私の心がかき乱される。こんなことなら彼に話しかけなければよかったと後悔した。

 そんな私にお見合い話が持ち上がったのは高校2年生に上がったばかりの頃だ。

 相手は有名な企業のご子息でとても優しい人だった。勉強もよく見てくれたし、休日は2人で出掛けた。心に出来たわだかまりがなくなった気がした。
 その人と一緒にいる間は彼の事を思い出さなくて済む。私はその人に恋した気になっていた。
 
 だけどそれは恋でも何でもなく、わだかまりも消えてなくなったわけではないとおもい知らされる日が来た。


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