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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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飼育部屋にて-4

「そう……」

「山本さんはあの夜、僕が両手に持っていた袋をひょいひょいと抱えて帰って行った。人肉と人骨入りの袋を、だよ?それを跡形もなく綺麗に処分してくれたんだ。驚いたし、僕も彼と組んでみたいと思った。まあ、理由はそれだけじゃないんだけどね……あ、着いたよ。ここだ」

 岡田が車のスピードを緩めた。峠道の途中にある、背の高い木々に囲まれた細く暗い道を進む。その奥は小さな畑と古い家屋、それにいくつかの長方形の細長い建物が並んでいた。車を降りると濃い緑の匂いを含んだ爽やかな風が吹き抜けていった。穏やかな土の香りもする。岡田の口から語られた殺伐とした話にはとても似つかわしくない場所のように思えて、エリナは首をかしげた。

 先に到着していた山本が、小さな建物の脇でこちらに向かって片手を挙げていた。岡田がそれに応える。一瞬、なにか動物の鳴き声のようなものが響いた気がした。

 建物の正面に立ったまま、山本と岡田は再び話を始めた。蕎麦屋で岡田が受け取ったファイルの中身について。岡田の隣に立つエリナにも、その内容はよく見えた。そこにはあのバイク仲間たち数名の顔写真と、細かな文字が綴られていた。

「岡田さんが気にされていた、この大塚という男について特に念入りに調べさせています。薬を使うと言っても、こいつが手に入れているのは混ぜものだらけの覚せい剤モドキだ。せいぜいちょっとした精力剤や催淫剤程度の役割しか果たさないようなシロモノですよ。ただし使い続ければ中毒にもなるし、当然薬物なので内臓に負担も大きい……ふん、とにかく女を犯せば言うことを聞かせられるなんて思っているのが気に入らないが……ま、岡田さんが気を揉むような相手じゃない。小物ですよ」

 山本は鼻で笑って、大塚の顔写真を指先で軽く弾いた。

「今回、こいつは5人の男たちから『いい女を抱かせてやる』と言って金を巻き上げている。おそらくそれがエリナちゃんのことなんだろう。そんなにアタマの回る奴でも無さそうだから、坂本マミのときと同じような手口……人気のない場所に誘い出して、薬を使って輪姦して、ぐらいの計画しか立てていないはずだ」

 ちらりと岡田の表情を確認し、山本はため息をついた。

「そんなに心配ですか。ど素人の喧嘩にしゃしゃり出るような真似はどうかと思ったんですがね……仕方無い。何かあれば手伝いに行きますよ」

 岡田はそれを聞いて満足げに頷き、エリナの肩を抱いた。

「ありがとうございます。僕にとって、彼女は特別なんでね」

「なるほど。じゃあ、万が一のときは呼んでください」

 強い風が敷地を取り囲む木々を一斉に揺らした。ごう、と大きな音が鳴る。その風にのって、また動物の鳴き声が今度ははっきりと聞こえてきた。キイキイと響くかん高い叫び声のような音。黒い雲がたちこめ、再び大粒の雨が降り出した。


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