The guard who loves me-7
―――今ラグナがいるのはグランパルスのある街の郊外、
人気のない路地に停めてあったレンタカーに乗ろうとドアの取っ手に手をかけた瞬間だった。
―――今回ジャーナリストとしてラグナの受け持った仕事。
それは、グランパルスを支配する事実上の政府機関・“聖府”が非合法で行っているパージについて
その内幕を探りだし公表することで、パージそのものの合法性を世界に問うことが狙いだった。
入国の際にはジャーナリストの肩書きを使ったのだが、
聖府の情報・監視網はラグナの前歴もおさえたのだろう。気づけば誰かに見られている感じを受けるようになる。
それに構わず、パージ関係について情報収集をしはじめたのが決定打となったのか、
“元・傭兵のジャーナリスト”を消去するため、今目の前にいる女刺客が送り込まれたのだった。
―――だが文字通り火花を散らした両者の戦いにも、遂に決着の時がやってきた。
―――ヒュゥッ!!
―――ガッッ・・・・
「 !!! 」
勢いよく突きだされた槍先を受け流すと同時に、
ラグナは三節棍の継ぎ目を掴むや、
そのまま相手の懐に飛び込んだ。
「 くっっ!? 」
思わず身をかわして距離を取ろうとする女にその暇を与えず、
ラグナの拳が女の鳩尾を直撃していた。