The guard who loves me-27
頭からちょうど良い温度の湯を浴びたことで、
今のラグナは気だるく身体の奥からじんわりと熱が沸き上がってくるのを感じていた。
シャワー室から出てきたバスローブ姿のラグナが寝室に戻ってくると、
ベットの縁に腰を下ろして彼が来るのを待っていた護衛役の姿が映った。
ここに来るまでに既にシャワーは済ませていたとみえ、
ラグナを見つめてくる青く澄んだ瞳と彼女の身体からは、ラグナ同様の熱と赤みが浮かんでいた。
この時のファングが身にまとっていたのは、
彼女お馴染みとなっていた青いサリー。
しかし今身に付けているのは、日頃の平服や戦闘服として使っているものではなく、
寝る時に使用するであろういわば寝間着仕様といえるスリップ風の薄い生地のものだった。
その生地の薄さは、
彼女がサリーの下に履いている胸元と下腹部を覆う下着を外から判別することが可能なくらいの薄さだった。
――――互いに相手の姿を見て口を開きかけた時、
寝室の円卓に置かれてあるラグナの携帯電話のバイブレーションが室内に響く。
―――ブゥゥゥ・・・ブゥゥゥ・・・・
思わずため息をつき、いやいやながらも卓上から携帯電話を手にして通話ボタンを押す。
電話の向こうからは仕事先の上司の言葉がいつもながらの口調で聞こえてくる。
『・・・とまあ、そう言うわけで任務達成できたことに、上層部は満足している。
さすがラグナだとね』
「それはどうも」
『何だ、いつもながらにそっけないな。何か問題でもあったのか?』
「あんたが今から次の仕事の話をすることが分かっているからさ。だから気が重いんだ」