鶴女房-11
「ふぅうんっ…はぅん……はぁはぁ…腰が…止まりませんっ……ひぁああっ」
おつるの優しく丁寧だった腰使いも、上下運動に横回転が加わった縦横無尽な動きで、滅茶苦茶に振りたくるという、肉欲を貪るものへと変貌する。
与平もまた、動かなくてもよい、と言われていたのにも関わらず、性欲に理性を支配されたせいか、腰が無意識に女体を犯すようにカクカクと動き、秘所を衝き続けた。
燃え盛る炎の勢いの如く、熱烈に絡み合い交わり合う若い男女。肉と肉がぶつかり合い、分身が肉洞を行き来するたび、結合部から雄と雌の体液が飛び散る。
発情した獣のような喘ぎ声と荒い息遣い、そして粘膜を擦り合う淫らな水音が部屋中に響き渡る。吹き荒ぶ猛吹雪による凍える夜さえも、二人にとって、もはや熱帯夜も同然であった。
「はぁはぁ! んぁ…! くうぅ! あんっ!」
「おつるさん!! お、俺もう…だめだ!! また、出そう!!」
「いい、ですわ! んっ…遠慮、なさらないで…っ! はぁはぁ…! この卑しいおつるめのぉ! 膣内(ナカ)に、与平様の子種を、今一度っ! 出して…! 下さいぃ!!!」
二人の興奮は最高潮に達する。
互いに愛し合い、求め合い、貪り合う。
分け隔たれた二人の精神と肉体が、快感を求める先にある共通の到達点を目指し、やがて溶け合い、もつれて、一つになる。
「ああああ!!! で、出るぅううう!!!!」
「んああっ!! もうっ!! ダメぇえ!!! イク…!! イクうううううう!!!!」
ビクビクと脈打ち怒張した肉槍が、女芯の最奥部を突き立てた瞬間、彼らは再び同時に絶頂を迎えた。
暴発した肉棒が、彼女の下腹部を貫いたまま脈動し、欲望の塊を子壺の中へと大量に吐き出す。そして、断続的な甘い痺れが肉棒を中心にして下半身に広がり、与平を蕩けさせた。
男女の混濁液で汚れた胎内に放たれた子種は、彼女の子宮のそこかしこを隅々まで満たし尽くし、容量以上に器に注がれた水が収まりきらず溢れかえるように、結合部の隙間から漏れ出る。
おつるは与平の身体に力強くしがみついたまま、絶頂の激しい快楽に打ち震え、解き放たれた精を恍惚の表情を浮かべながら受け止めた。
「はぁはぁ……与平、様……」
「お、おつるさん……」
絶頂の余韻に浸りながら、息も絶え絶えに互いの名を呼び合うと、口づけを交わし、互いを求め合うように舌と舌を絡ませる。
くちゅくちゅと音を立てながら、口内のあらゆる場所を舐めとり、唾液の交換を行う。蕩けるような甘い口溶けによって、二人の内に燻っていた欲情の炎が再び勢いを取り戻す。
そして、それがさも自然であるかの如く、互いに腰の動きを再開させた。
蝋燭の僅かな光が照らす薄暗い部屋の中、床の上で延々と絡み合う男女。
二人の熱帯夜はまだまだ終わりそうにない。