ニチヨウビ-1
昨日の夜、わたしは久々にぐっすりと眠れた。
ショウとの夜、わたしは大きく高揚し、しかも絶頂に導かれた。
その疲れと心地よさで、目を閉じるとスーッと睡魔に襲われ気づいたら朝だった。
朝6時。爽やかないい時間である。身を起こして、軽く伸びをした。
今日は、サッカー場までショウを試合に連れて行かなければならない。
さっとシャワーを浴びて、弁当を作り始めると、ショウが起きて来た。
「おはよう、ございます……」
「あら、ショウ君おはよう。よく、眠れた?」
「え、ええ、まあ……」
ショウはあまり快眠だったとは、言えないようだ。
目にうっすらと隈が出来ているように見える。
それが少し心配でもあったが、心のどこかで可愛らしくも思えた。
昨日、彼に初めて射精させてやった。
女の体も存分に見せつけてやった。彼の望んだことだった。
ショウに局部を触らせて、わたしは遠慮なくイクところまで見せたのだ。
彼は、女がイクという意味そのものが、まだよく分かっていないに違いない。
少年の目にそれがどう映るのか興味が湧いたが、さすがに聞くことは出来ない。
その答えの一端が目に出来た隈なのだとしたら、何か暗い悦びに満ちてくる。
ショウとは、ある約束をした。
彼がサッカーの試合で頑張ったら、昨日の続きを考えるというものだ。
有り体に言うと、セックスの約束である。
だが、ショウは昨日までオナニーすら知らなかったし、セックスについての知識があろうはずが無かった。単語くらいは知っている、という程度なのだろうか。
実にいい加減で、曖昧な約束だった。
頑張ったら、というのはどこからが頑張ったうちに入るのか。
考える、というのは、考えるだけでセックスまではしないという事も有りうる。
そもそも、わたしはサッカーについてあまり知らないのだ。
そんな雑な約束なのに、ショウはすっかりやる気になった。
その雑さを見抜けない所は、やはり小学生という事なのか。
彼の努力は、わたしの判断次第で全く報われないものになるかもしれない。
無垢な少年の命運を自らの手に握っている感覚が、なんともたまらない。
しかも、その少年はわたしの甥である。自分が歪んでいると自覚せざるを得ない。
だが、わたしはショウに好感を持っていた。
なんとか、そういう約束とは別にサッカーの試合で活躍して欲しいと思った。
その結果どうするかは……それはその時の流れで決めてしまえばいい。
ショウがランニングに行ってくる、とわたしに言ってきた。
彼の日課なのだろう。わたしは、車に気をつけていってらっしゃい、と返した。
お互いに昨日のことは、何事もなかったかのように振舞っていた。
ショウが帰る頃には、もう弁当も作り終わるだろう。
外へ駆けていくショウを見送った。
彼の背中から、何かエネルギーが満ち溢れているような気がした。