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小さな復讐
【ショタ 官能小説】

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ニチヨウビ-2

 4WD車を運転して、ショウを競技場に連れて向かっている。
 この車は、ショウの父からわりと格安で購入したものだ。
 ショウの父親が車のメーカーに勤めていて、彼の営業成績を上げるのに一役買わされたのだ。
 女性にはワイルドすぎる気もしたが、車高が高く視界がいいので、慣れると運転しやすい。
 難を言うなら、少々税金が高いことだろうか。

 ショウは車内ではあまり喋らず、大人しくしていた。
 車で30分程度の競技場に着くと、ショウと降り際にほんの少し語った。

「あの、サオリさん……昨日の約束、忘れてませんよね?」
「約束、あら、何のことだったかしら?」
「えっ、ちょっと……!?」
「冗談よ、ちゃんと覚えてるわ。ショウ君たら、そんなに驚かなくてもいいじゃない」
「あの、僕、頑張りますから」
「そうね、でもチームの為にも頑張らないと駄目よ。自分のことばかり考える男の人は、女性からは好かれないわよ?」
「は、はい。でも、今日はサオリさんの為に、頑張ります」
 
 ショウは元々我が強いタイプではない。むしろ、その逆だった。
 そんな彼にこういうセリフを言われるのは、少々ときめかされるものがあった。
 
 競技場を歩いていくと、ショウのチームと思しき一団が見えた。
 ショウはチームメイトの輪に加わり、仲間に挨拶をしているようだ。
 一団には、監督と思われる少し白髪の見える壮年の男性の姿が見えた。
 わたしも、一応挨拶をしておくことにした。

「はじめまして、ショウの叔母のナカガワと申します。ショウがいつもお世話になりまして」
「ああ、保護者の方ですか。どうも、監督のクボタと申します。こちらこそ、ショウ君にはチームを引っ張ってもらってます。今日は、ゆっくり観戦なさるといい」

 言葉には気迫が感じられる。いかにも勝負師、という感じの監督には威圧感があった。
 少年のチームとはいえ、監督というのはこういうものなのだろう。
 
 その横には、少々場違いにも思える優男が控えている。
 うっすら栗毛色の髪をボサボサヘアーにしている長身の男がわたしに会釈をするので、わたしも会釈を返す。
 男は一見痩身のようだが、よく見ると肩幅は広く、胸板も厚かった。
 ジャージ姿の優男は、少年たちに交じり、何か冗談でも言っているのかニコニコしている。
 コーチか何かなのだろうか。監督が、その様子を遠巻きに見守っている。
 試合開始までは、まだ少々時間があるようだった。


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