第2章〜第3章-27
「でも…」
「どうしたの?」
「わたし、変わっていくのが怖い」
「変わっていって、いいんだよ。男と女はこうやって愛しあうために生まれてきたんだ。僕は奈美ちゃんが大好きだ」
梶谷は、奈美の左右の花びらをそっと擦った。
「ぁっ、ぁっ」
「奈美ちゃん、服を脱いでベッドで横になろう」
梶谷の手は奈美の花園から抜かれた。
奈美がじっとしていると、梶谷は自分の服を脱ぎはじめた。ワイシャツを脱いで、ズボンのベルトの留め金を外した。
「どうしたの?決心がつかないのかい?」
奈美は怖れていた。処女宮にキスを受けたら、次の段階に進むのではないか。セックスに発展するのが怖かった。梶谷とならしてもいいと思う気持ちもあったが、未経験の奈美にとっては怖れの方が強かった。
「今日はキスだけにして。お願い」
奈美は正直な気持ちを伝えた。
「わかっている。奈美ちゃんを悲しませることはしたくない。だけど、欲しくなったら、そう言えばいい」
ランニングシャツとトランクスだけになった梶谷は、奈美の髪を優しく撫でた。梶谷のトランクスの前は膨らんでいた。
(梶谷さんをからだを迎え入れたい気持ちになるのだろうか)
自慰のさなか、男性からの愛撫を夢想して、そして、男性の性器を迎え入れることも夢想した。実際こうやって愛撫を受けてみると、気持ちよさに身を委ねることはできたけれど、男性性器を迎え入れる決心はなかなかできないのではないか。処女であるがゆえの怖れが先に立っていた。
ベッドから立って、奈美はワンピースを脱ぎはじめた。
「見ないで」
視線を感じて、そう言った。
ワンピースを脱いで、椅子に掛けた。かろうじて肩からぶら下がっていたブラジャーを取り去って、ワンピースの下に入れた。黒猫プリントのショーツと白いニーハイソックスだけの姿になった奈美は、ベッドに横たわった。ぐっしょり濡れている下着が気になったが、それを脱ぐ勇気は湧いてこなかった。
ベッドにあお向けになった奈美は、手のひらで二つの乳房を隠して、目を閉じた。
奈美の横に梶谷が寄り添う気配がした。自然にからだが硬くなる。
「奈美ちゃん、震えている…。だいじょうぶだからね」
「言わないで」
小声で反発した。