第2章〜第3章-26
肩を抱いていた左手を前に持ってきて、奈美の右足に圧力を掛けた。奈美は梶谷の力を借りて、かすかに足を開き、その瞬間梶谷の右手は深く下りてきた。
「ああ、あっ、あっ、あっ、わたしもう会えない」
喘ぎながら言った。
「なぜ?こまるよ。なぜ?」
「恥ずかしいもの」
「奈美さん、大好きだ。もっと愛したいんだ」
梶谷の人差し指は左側の花びらを分け、薬指が右側の花びらを押し、中指が処女宮の入口で微妙に動く。
「あっ、いやっ、あっ、あっ、あっ、ああっっ」
奈美が受ける感覚は鮮烈だった。梶谷の指の動きにつれて、自分では抑えようとしても、腰がひとりでにぶるぶると小刻みに動いた。
(わたしは知られてしまう。もう別れられないわ)
しだいに奈美は、梶谷の指が自由に愛撫できるように、右足に重心をかけて左足を開き気味にしてしまっていた。
(もういいわ)
梶谷の指は処女宮から上がってきた。奈美の敏感な花の芽に指があてがわれた。
「ここは?」
「だめっ、いやっ、いやっ、いやっ」
息が詰まるような鮮烈さに、奈美はわなないた。梶谷の指は花の芽をクチュッと擦ったあと、ふたたび下りていった。
奈美の花園を優しく愛撫していた指の動きが止まった。
「ここに、キスしたい」
四つの指に力を込めてきた。
「……」
奈美の胸はふくらんだ。
『あそこにキスされることが愛の証なのよ』
級友の紀美は言っていた。
男のくちびるを処女宮に受ける。奈美が空想のなかで、憧れとして思い描いていたことだった。
「ね、ここに、キスするね。今まで付き合ったひとには、していない。奈美さんが初めてだ。堪らなく愛しいからしたいんだ」
「ほんと? ああ、ああ」
訊いたあと、処女宮の入口を擦られた奈美は乱れた声を出した。
「ほんとうだ。こんなに好きになったのは初めてだ」
「ほんとうに?」
奈美の声は震えていた。
「うん、奈美ちゃんが初めてだ」