第2章〜第3章-25
答えてから奈美の頬はいっそう熱くなった。
梶谷の人差し指が単独で動きはじめたのはその直後だった。奈美のからだが期待していた動きであったが、同時に怖れていた動きでもあった。
「いやっ、ぃゃっ」
奈美は身悶えた。が、奈美の背中を抱いている左手は強かった。逃げることを許さなかった。
「ああ」
奈美は呼吸を震わせて首を振った。
「こまるぅ、いやっ」
「これはよくないの?」
人差し指は的確に動いていた。乙女の奈美が自慰のとき、もっとも感じる部分に対して円を描きはじめたのだ。
奈美は急上昇しはじめた。
(わたしはもうどうにかなってるわ)
ふいに、腰がぶるぶると痙攣した。
「よくない?」
「いいから、こまるぅ」
奈美は腰を引いて逃げようとした。けれども、梶谷はそれを許さなかった。奈美の動きは逆利用されて、より深く他の指が食い込んできた。
「いいだろ、大好きだ」
人差し指に花の芽を擦られ、中指に処女宮の入口を弄られ、薬指は右の花びらをさすっていた。
「あああっ、あっ、あっ、あっ」
(気持ちいい。こんなにもいいなんて…)
乙女の処女宮から熱い泉がジュクジュクと溢れ出してきていた。
梶谷の手が奈美の下腹から腰にまわっているゴムの下をくぐって、じかに入って来たとき、奈美はほとんど抵抗しなかった。そうしてほしいという願いがからだいっぱいにみなぎっていて、愛撫を怖れる分子は遠くにかすんでしまっていたのだ。
布をへだてたときと同じように、梶谷はすぐには愛撫を始めず、奈美の草むらとその少し下に指をじっとあてがったままだった。奈美は足を閉じていた。
「奈美さん、すごく熱い。こんなになってくれるなんて、素晴らしいよ」
初めて触れられる男性の手の感覚に、奈美はどよめいていた。もう自分が潤みすぎていることを恥ずかしく思う気持ちは消えていた。
「からだを緩くして、少し開いて、ね」