第2章〜第3章-24
指の愛撫を受けたい願望が高まっていたが、恥じらいの気持ちも強かった。奈美は股をきつく閉じていた。梶谷の手のひらは、ショーツの上から、草むらを押さえた。
「こうしているだけで嬉しいよ」
「恥ずかしいから、やめて」
「奈美さん、大好きだ」
あてがった手のひらの位置はそのままで、指の先が微かに動いていた。奈美は、指を進ませたい願望と乙女の恥じらいのあいだで揺れていた。
乳首の先端を軽く噛んできた。噛みながら、ショーツの上の手のひらは動いた。
「ぁっ、ぁぁ」
人差し指と中指の指頭が、奈美の秘められた二つの山脈の上の端を押さえた。その指頭がゆっくりと押され、緩められるのであった。二本の指のあいだに、奈美のもっとも敏感な花の芽があった。自慰のとき、優しい指づかいで愛撫するところだ。梶谷の指頭は奈美の芽を間接的に押している。
奈美はいつのまにか、梶谷の指の微かな力加減を味わう姿勢になっていた。
指は少しだけ横に動いた。奈美の芽を擦ろうとした。
「いやっ」
奈美が逃げようとしたときは、その動きは消えて、微かな指圧にもどっていた。
「ふっくらとしている。いい感じだよ」
「わたし、恥ずかしい」
「恥ずかしくない。奈美さんはもう大人だ。ああ、大好きだ」
梶谷の手は、奈美がその進み具合を阻まない程度に、きわめて少しずつ動いた。乳房を口で愛撫されて、性感が高まりゆくなかで、時間的に素早かった。
きつく閉じていた乙女の足は、いつのまにか少し開いていた。梶谷の手のひらは奈美の花園全体にあてがわれた。
処女宮から溢れ出る熱い泉によって黒猫プリントのショーツは濡れていた。
(恥ずかしいわ…)
「ああ、とても熱くなっている。素敵だ」
「言わないでっ」
恥じらいからの反発だった。
梶谷は手のひら全体を強く押しつけたままゆっくりとまわしはじめた。
それは自慰のとき、奈美が四つの指全体で行う行為であった。ほのぼのとした心地よさが、花園全体から生じるのだ。自分の手ではなく梶谷の手であることによって、深い陶酔へといざなわれていた。
奈美は梶谷の肩に手を置いて支えにしながら、無意識に腿を緩めて、梶谷の手のまわり具合に合わせて呼吸していた。
「奈美さん、気持ちいい?」
「……」
「よくない?」
奈美は答えられなかった梶谷の手は優しく動き続けていた。
「気持ちよくない?」
奈美は微かに首を振った。
「気持ちいいんだね。言葉に出して」
「恥ずかしい…」
「恥ずかしくない。気持ちいいって、言ってほしい」
「いい…。気持ちいいの」
恥じらいにまみれながら奈美は言った。