第2章〜第3章-19
「どうすればいいの?」
「どうすればって…自然にしていればいいよ」
「初めて…」
「わかった。優しくするから」
ふたたび奈美のくちびるは塞がれた。強く吸われながら、くちびるとは違うモノを感じた。舌だった。梶谷は舌で奈美のくちびるをこじ開けようとした。
(ディープキスされたい)
奈美は抵抗しなかった。口の中に舌が入ってきた。少し奥にある奈美の舌を探りあてて、刺激してきた。舌と舌がネチョッと触れ合って、男の唾液と奈美の唾液が混ざり合う。
(刺激的だわ。気持ちいい)
奈美は夢見心地になった。自分から舌を絡める勇気はなかった。ただ、梶谷のキスにうっとりとなっていた。
やがて、梶谷は奈美の口から舌を抜いた。くちびるをはずしてただ強く抱きしめてきた。
「奈美さん口の中、美味しいよ。大好きだ」
耳に囁いてきた。奈美はその表現に吹き出しそうになった。
梶谷は、背中を抱いていた左手を腰に持ってきた。奈美の腰を抱きしめてきたのだ。奈美の腿と梶谷の膨らみはいっそう密着した。
(すごく大きいわ)
奈美は男性性器の感触を受けとめながらどよめいた。
「ああ」
思わず声を洩らしていた。直後、奈美はうろたえた。性器を意識していることを梶谷に知られることになる。恥ずかしい。頬が熱くなった。
「奈美さん、お昼は食べたの?」
「ええ、家で食べてきました」
梶谷は奈美の声を気にしなかったのだろうか。
「よかったら、一緒に晩ご飯いこうよ」
「ええ。ぁっ」
ふいに梶谷の腰が動いた。小さな幅で腰を揺らしはじめたのだ。動きにつれて、奈美の腿を圧迫している部分も動き、感覚が明瞭になる。目をつむったまま、奈美はその感覚を追った。ずっと前から期待していた感覚。自慰のとき、夢想していた男性性器の感覚だった。