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誘淫画廊
【同性愛♀ 官能小説】

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誘淫画廊-1

 その展示会の招待状は職場の先輩からもらったものだった。

細長い紙の右半分には黒を基調に発色の良い赤色や深い青色が飛び交うような抽象画が描かれ、もう半分には展示会の期間、場所を示す地図などが簡潔に書かれている。仕事が終わった後、会社の廊下で同じ部署の先輩からそれを渡された。

「さゆり、学生時代に美術部だったとか言ってたでしょ?このまえ机の中を整理していたらこんなのが出てきたからどうかなって思って」

 渡されたチケットを手に言葉を選んでいると、先輩は優しく微笑んでわたしの肩をぽんぽんと叩いた。

「あはは、もともと忘れてたようなものだから、もし興味が無かったら捨てちゃっていいよ。わたしも何処で誰にもらったのかも覚えてないし」

「いえ・・・ありがとうございます」

 はいそうですか、と捨ててしまうわけにもいかない。とりあえずお礼を言って頭を下げた。もう一度チケットに目を落とす。そこに書かれた最終日の日付は今日だった。

 どうしよう・・・。

 腕時計を確認すると午後6時。展示会は20時までやっているようだ。たしかに学生時代、美術部に入ってはいたけれど、そんなに絵に興味があるわけじゃない。憧れの彼が入部すると聞いて入っただけ。これ以上ないくらいの不純な動機だった。

 そうはいっても、せっかくもらったものを無駄にするのは心苦しい。場所は会社からそう遠くない。この後に予定があるわけでもないし、ちょっと冷やかし程度にのぞいて行くかな。そんな軽い気持ちで、わたしは展示会に向かうことにした。

 そこで何が待ち受けているのかも知らないで。


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