添い寝-1
「ちょっと。紗江子さん。ここから一人で大丈夫?」
司君はタクシーから降りようとしなかった。
「俺、もう終電もないし、このままタクシーに乗って帰るよ?」
どうやらこのまま帰る気らしい・・・
珍しいオトコだな。
据え膳を食わないらしい・・・
「部屋まで送っていってよ。
運転手さん、この子、ここで降ります」
無理やり腕を引っ張ってタクシーから降ろして
逃げないように腕を絡めた。
タクシーを見送ると急に無言になる司君。
もしかして、怒ってる?