とうとう迎えた瞬間-4
友美は、何か汚いものが付着したようで気持ち悪かった。しかし愛する兄の体液。本能的に受け入れなくてはならないものだと判断する。
「これ、何の液体なんだろう…。」
見入りながら指で伸ばしてみる。
「なんかべっとりしてる…。」
「栗の花みたいな匂いするよね?」
「あ、うん!そっくり!」
匂いを嗅ぐ友美。
「なんか体の毒なのかなぁ…。たまに出さないと病気になっちゃう、みたいな。」
「でも、毒出るのにあんなに気持ちいいのかなぁ??」
「そうだね…。ほら、毒出すのに痛かったらなかなか出すの嫌になっちゃうから、気持ち良くなるんじゃない?人間の進化の過程で。」
「そ、そうなのかなぁ…。」
性の知識の乏しい2人は自分たちなりの結論を出した。
次の日から、友美は兄の毒出しを続けた。
「お兄ちゃん、1日ごとに量が減ってるね。毒がもう少しでなくなるのかもね。」
「そうか…。」
毒がなくなるのは嬉しいが、あの出る瞬間の気持ち良さはもはや止められなくなっていた。
(こんなに気持ちいいなら、毒、なくなって欲しくないな…。)
友美の手に付着する毒を見ながらそう思った。