朱里_セフレごっこ。-4
『な、何であの人のこと知って…ていうか、何でそんな勝手なことすんの?』
パンティーを脱がせようとする俺を、朱里の手が制止させる。
何でって…バカかコイツ?
その手を振り解くとパンティーを剥ぎ肉棒をあてがった。
「何でって…好きだからに決まってンじゃん。」
『―――っン、ああぁ…っ!』
別々の大学に進学したことにより、俺らの関係は少しだけ疎遠になっていた。でもそれは朱里に限ったことではなくて。親元を離れた開放感や新生活、新たな出会いで浮かれていたんだと思う。
そんな大学2年の夏、偶然朱里と再会した。お互い飲み帰りだったらしい。二人で飲み直し、終電を逃した朱里をうちへ呼んで―――…そこからこの関係は始まった。
酒がまわっていたなりに、店での朱里の話はかなり鮮明に記憶している。大学に入ってから彼氏が出来たこと、つき合う前はすごく良好な関係だったのに少しずつ相手が冷めていくのがわかったこと、朱里のぶっきらぼうな性格も相まって関係を繋ぎとめることが出来ずけっきょく別れてしまったこと、あと…
“もう私、彼氏とか好きとか…面倒かな。”そう俺に告げた時の、小さく鼻をすする音―――
『ちょ―――ン、あっぅ!たい、ち待っ…あァン!』
「う…、っン」
『ちゃん、っと、話し…うあァん…ッ』
「…っ、うん…ッ」
『―――ウンじゃ…っ、なくってェ…!ンぁア…っ!』
待って、だなんてウソだ。いま何を話されたって会話なんて頭に入る訳ない。
どうして太一があの人のことを知っているのか、どんな経緯であの人はうちに来ないことになったのか、好きってどういう意味か、太一がいま何を考えているのか…そんな戸惑いも苛立ちも太一に対する何かしらの淡い感情も、私の意識なんて太一の熱が根こそぎかき消してしまう。