妻のいいぶん-4
「はぁっ…ぁっ…」
たしかに太い、だけど無理ではない。
「あんっ…突いて…突いて…
奥まで…あぁんっ…」
漏れ出した声を唇が塞ぐ。
塞がれて行き場のない何かが蜜壷の奥から突き上げられた。
「んっ…大丈夫よ…
あの人…お酒飲んだら絶対起きないの…」
深く浅く、激しい揺れがいつまでも果てがないように続きアソコの周りから次第にヒクヒクとひきつりが止まらない。
頭の中は真っ白で私はただ男を求めて受け止める女でしかない。
「あっ…あっ…イッちゃぅ…ぅ…」
荒々しい波が静かにゆっくりとおさまり始めた頃、乳白色の暖かい体液がおなかの上にぴゅぴゅっと飛び散った。
なんて心地がいいんだろ…
その空虚の中におなかに溢れた体液を指で撫で、まだ痺れている膣孔と敏感な突起の感覚を確かめてみた。
「もう行かないと…」
起き上がると心持ち少し萎え出したペニスに吸い付き、おやすみの挨拶をした。
生暖かいクリーミーが一滴、喉を通って落ちて行った。
私は身に付けていた服を小脇に抱えて裸のまま男を後にした。
股関節がまだがくがくする。
… … … …
次の朝、共に朝食を摂ると男は丁重に礼をのべ、土曜のまだ早い列車で帰って行った。
居間では夫がさっそくパソコンを開いて淡々と述べる。
「いいねぇ、こりゃなかなか興奮したよ。」
「そうなの?」
ディスプレイの中には昨夜の私と男の密会が写し出されている。
「あなた、もう少し音を下げてよ。」
私は以前、セールスマンとの浮気がバレてしまい開き直って女の主張を訴えた。
夫に不満があるわけではないけれど、高校生の時からどうしてもひとりの男に満足できない。
夫は生い立ちがちょっと複雑で三人の母親に引き継ぎ育てられたせいか独占欲がなく、自分の宝物を他人に見せたがる性分なのである。
つまり、浮気は認めるが寝るなら俺が選んだ相手と寝ろ…と、こうである。
社会においても自分が周りに置く仲間は厳選してチームを組み、ある秘密を持たせておく事によってその絆は深いというのだ。