カリスマの秘密-9
朝になった。
「う〜ん…」
山中が目を覚ますと、冴香はもう学校に行く準備を終えるところだった。ニコッと笑う。
「おはよ、佑樹君」
「おはよ…」
自分といるときのMっぽさなど感じさせない、まさにデキる女、カリスマ女教師の姿に思わず見とれる。
「見違えるね、冴香。」
「もう教師モードに入ってるからね?ほら、山中君、そろそろ着替えて?」
「は、はい…。」
冴香の教え子だった頃を思い出す。
「先生、たまには昔みたいに俺をリードしてほしいな…。」
「フフフ、いいわよ〜?」
自信満々の姿。山中は嬉しくなる。
「山中君の為ならMにでもSにでもなるわ?フフッ。」
「や、やっぱ山中君て呼ばれるの…いいなぁ…!」
デレデレする。
年下の高校生に尽くすM女の姿は家に置いていく。生徒にカリスマと呼ばれ崇められている女教師、西野冴香は凛として学校に向かう。
それから数日後、いよいよ卒業式を迎えるのであった。