屈辱の夜-1
「脱げよ」
部屋に入るなり大塚はそう言った。
古いラブホテルの一室。安っぽいソファの布地にはシミが目立つ。部屋の真ん中に置かれた大きなベッドの前で、みずきはどうしていいかわからずに立ちすくんでいた。短いスカートの裾をギュッとつかみ、どうにか足の震えを止めようとするのにうまくいかない。やっぱり、怖い。どうしてこんなところに来てしまったんだろう。
「さっさと脱げって。それとも脱がしてほしいのか?」
「わ、わかったわ・・・脱げばいいんでしょう・・・」
だめ。あの女を大塚にめちゃくちゃにしてもらうんだもの。そのためなら、これくらい何てことないじゃない。みずきは心の中で何度も自分にそう言い聞かせ、洋服を脱いで下着姿になった。いつかまた斎藤に抱いてもらう日のために選んだ下着。凝った黒いレースの装飾が贅沢にあしらわれた、男に見せるための下着。
大塚の目が輝く。芋虫のように不細工な形の指が下着越しに乳首に触れ、その部分を指先で何度も撫でる。
「何だよ・・・こんないやらしい下着つけやがって・・・今日は最初から俺に抱かれるつもりで来たのか?もう乳首もビンビンじゃねえか」
違う。こんな男のために着てきたわけじゃない。そんな思いをぐっと堪える。生温かい感触が勃起した乳首を包み込む。薄いブラの上から大塚がべちゃべちゃと舐めている。目を閉じる。涙が滲む。これは大塚の舌なんかじゃない。一樹くんの・・・そう、わたしはこれから一樹くんに抱かれるのよ・・・
「ああ・・・たまんねえな、ほら、こっち来いよ」
大塚の声が妄想の邪魔をする。腕を強く引かれて床に膝をつく。目の前に信じられないものが差しだされる。
ズボンを下ろした大塚の股間、赤黒く巨大な性器。その先端はぬるぬるした液体で光っている。思わず目を背けるみずきの髪をつかみ、それを唇に押し付けてくる。汗と尿のにおいが鼻をつく。
「しゃぶってくれよ、な?」
「そんな・・・」
返事をする間もなくそれは強引に口の中に入ってきた。のどの奥まで突きあげられる。吐き気がする。それでもここでやめるわけにはいかない。覚悟を決めて舌を動かす。大塚が気持ちよさそうにため息を漏らす。
「うぅ・・・斎藤にもこんなふうにやってやったのか?おまえもおとなしそうな顔してよくやるよなぁ。男なら誰でもいいんだろ?あぁ?」
こんなこと一度も、誰にもしたことない。そう言いたいのに口は大塚の汚らしいものにふさがれて、声を出すことすら叶わない。口の中のものは大きさを増し、苦いような酸っぱいような味が広がっていく。