宴のあとで-8
すべてが終わった後に、洋服を拾い上げながら岡田が上機嫌で笑った。
「今日のエリナは最高だよ・・・イベント、見てもらってよかったな」
「楽しかったわ、とっても」
「君は若い。まだ知らない快楽が山ほどある。セックスも恋もたくさんするといいよ」
「恋・・・」
恋とはなんだろう。学生時代に友人たちが恋愛について騒いでいるさなかに、エリナはただ男の体のことしか考えていなかった。
「恋人とのセックスは別格の気持ちよさだというからね・・・僕もあと20年若ければ立候補したのにな」
額に岡田のキスを受けながら、ふいに今朝届いていた手紙のことを思い出した。斎藤一樹。高校時代に彼と一緒にいると「恋人同士」だとはやし立てられた。ということは、彼とセックスをすればもっと気持ち良くなれるのだろうか。
「・・・興味があるわ」
「恋人が出来たなら、どんな男か教えてくれよ。全力で邪魔してやるから」
家に帰ったら、斎藤に連絡してみよう。岡田の腕の中でエリナはそう決めた。新たな快楽の扉を開けてみたい。ただそれだけの気持ちで。