無防備-1
「…。」
俺は今電車の中にいて、隣には部活帰りの高校生らしきジャージ姿の女の子が寝ている。
最初は特に気にして居なかった。
前かがみになって携帯ゲームをしていた所に寄りかかってきた君が悪いんだ、と俺は思う。
(胸があたってる…。)
周りを見渡すと…さすが田舎、まだ21時過ぎぐらいなのに、この車両には他に誰も乗っていなかった。
ドキドキドキ。
意識があたっている胸に集中する。
(いや、気にしちゃダメだ。ゲームに集中しよう。)
軽くため息を吐くと、意識をゲームの方に戻した。