カリア-2
私は驚いた。ということは、私には生きている子孫が1人もいないということになるのだ。
何故なのか……それが聞きたかった。カリアは私の目の前に丸いチョコを差し出した。
「驚いておいでですね。ところでこのチョコレートを食べて頂けませんか?
食べればきちんとアバター体のカロリーになる新製品です」
私はチョコを食べた。なかなかおいしい。120年以上も前に食べた味をかなり上回る上品な味だ。虹色の味と言ったらおかしいだろうか?
チョコはチョコだが電子的な菓子は味覚の極限にまでおいしさを追求しているのだなと思った。
「何故、そうなったかといいますと。お孫さまのアリナさまもそうでしたが、結婚や出産によって、負担が多いと感じる方たちが増えてきたためなのです。
性的な問題なら電子セックスの技術が発達してきましたので、ひ孫さまたちの頃になると、仮想空間での電子セックスを楽しめるのです。
その結果、インプラント共振による妊娠を歯止めする電子ピルもあるので、妊娠も出産も育児もないのです」
私はちょっと目まいがした。カリアの体の線がとても気になりだした。
だが聞きたいことがあった。
「カリア……その、では子供達は誰が生んでいるんだ?
コロニーにも随分子供達の姿があったぞ」
カリアは腕を頭の後ろに組んだ。そのせいで綺麗な胸の線が出た。私は生唾が出た。
衣服が上に上がってくびれた素肌のウェストが露出し笑窪のような臍が見えた。
私は体内のペニスが勃起してくるのを感じた。カリアの声が甘ったるく響いて来た。
「行政が選んだ優秀な精子と卵子で子供は計画的に作られます。
少子化対策省がそれを法制化しました。
もちろん自然のセックスと自然の出産も勧めていますが、それをする人は激減しているので、やむをえない措置だということです。
人口的に生まれた子供達は12才まで、ロボットを含めた育児の専門スタッフが育て、その後自立させます。
アニョンさまのような場合がそうです。」
「アニョンのことを知っているのか?」
カリアは少しずつ私に近づいて来た。
私は耐え切れずに彼女の体を透視した。
透視というのはただ裸に見えることではない。
360度総ての角度から見えるだけでなく、細部の構造のすべてが見えるということなのだ。
彼女のクリトリスはクリトリスフードから剥き出していて勃起していた。
彼女の小陰唇は蝶の羽のような形で左右合わせるとハート形になっていた。
それも十分充血していて、膣内からは愛液が滴っていた。
つまり彼女も欲情しているということなのだ。
膣内の広さもセックスするのに十分発達していた。
処女膜はあったが、そんなに肉厚でもなく薄くて幅も狭かった。
膣の入り口を飾るフリル程度だ。子宮も発達した女性のものだった。
一番感心したのは細いウェストから急に広がるしっかりした骨盤だ。
大臀筋は弾力がありヒップアップしている。
乳首はつんと立っていて上を向いている。
乳輪は昔の一番小さいコインほどの大きさだった。
乳房は半球型で柔らかく弾力がありそうだった。
「はい、私達は電子生物ですから、仮想空間の出来事は知ろうとすれば大体わかります。ところでハヤテさま、私とセックスしたいのではありませんか?
アニョンさまのときのようにすれば、お二人の呼吸がばらばらで、マスターベーションと変わらないのでお気の毒です。
私もハヤテさまが欲しいのです」
私は思わずカリアを抱きしめた。
そしてカリアの女性器のコピーを体内に作った。
そこに私のペニスを挿入しようとすると、カリアは言った。
「慌てないで下さい。その私の性器のコピーと私自身の性器はシンクロしています。
だから私も感じるのです。必ずしも体を接しなくても電子セックスはできます。
でも、15m以上二人が離れると反応が消えます。
局部を接しなくても挿入して動かすことができるので手足は自由に使えます。」
私はそれを聞いて、なるほどと思った。だが、わからないのは何故私はこんなにがっついているのだろう?
もしかして、さっき食べたチョコレートが……。するとカリアが言った。
「その通りです。ハヤテさまが私のことを遠慮なく抱いて下さる様に、あのチョコには性欲を亢進させるプログラムが入っていたのです。
もう引き返せません」
私はその言葉を聞きながらカリアの全身を手や口で愛撫していた。
電子生命体は衣服の上から愛撫しても裸を愛撫するのと変わらない。
既に衣服は半透明になって霧状に体に纏わりついているだけだ。
そしてカリアは言った。
「ハヤテさま……来てください。いまです」