本日快晴-2
「ど、ど、ど、どうしよう」
思わず呟いた独り言に何もない空中から返事がする。
『何が?』
「きゃああぁぁっ!!」
驚いて悲鳴をあげるとバタバタと母親がやってきてドアを開けた。
「璃子?!」
「ごめんっママ」
「ああ、また幽霊なのね……」
璃子に霊感があるのが分かっている母親は、ため息をついて持っていたオタマを降ろす。
「誰なの?」
そのオタマで何をするつもりだったのだろう、と少し疑問に思いながら璃子は答えた。
「沙耶ちゃん。この間、交通事故で亡くなった」
『おばさん、お邪魔してますぅ』
「まぁ、沙耶ちゃん?!残念だったわねぇ……何か心残りがあるなら遠慮なく使ってちょうだいね?他に取り柄も無い子だから」
『はい♪もう充分使わせてもらいましたので〜』
お邪魔してます、以外の言葉は通訳せずに璃子は母親を部屋から追い出す。
「沙耶ちゃん、ごゆっくり〜」
『はぁい』
背中を押され部屋を出ながら母親は沙耶に声をかけ、沙耶も返事をした。
暫しの静寂の後、沙耶が話を切り出す。
『で?何がどうしようなの?今村に告白されたんでしょ?』
沙耶の言葉に璃子はパクパクと口を動かし、真っ赤に顔を染めた。
「だって……恥ずかしくて……」
『言っとくけど、充分恥ずかしい事やってるんだけど?』
オナニーを手伝わせるわ、処女らしからぬ初体験をするわ、縛られて写真撮られるわ……。
「言わないでえぇ〜」
璃子は両手で耳を塞いで顔を左右に振った。
「だから恥ずかしいんじゃないのぉ〜…どこをどうやったらこんな淫らな女を好きになるのよぉ〜…」
抱かれてる間は本当に幸せで……なりふり構わず乱れていたというのに。