幸せ探し-1
「まぁ、上がってよ」
僕はひとまずロゼッタを家に連れ込んだ。
僕の部屋は一言で言って最悪だ。
狭くて汚い。
ロゼッタは部屋に入ると、部屋の真ん中にひかれた布団の上に座り、「ふぅー」と言いながらくつろいでいた。
その仕種が可愛くて、そのままペットのようにそこに置きたいと思ってしまう。
僕は冷蔵庫から缶ビールを二本取出し、一本をロゼッタに差し出した。
半ば冗談だったが、ロゼッタは会釈すると、缶ビールを手に取った。
「ありがとうございます、ちょうど喉が乾いていたので」
そういうと、ロゼッタは缶ビールを開け、ビールをぐびぐびと飲みはじめた。
すると、梅干しのように、顔を潰しながら、
「シュワシュワ〜」
と言い、真ん丸くした瞳で僕を見詰めた。
「何ですかこの飲み物?」
僕は呆れながらロゼッタに言った。
「知らないのビール?」
「ビール?ってきりオレンジジュースだと思いました」
いやいや、何でオレンジジュースなんだよ。
「缶の飲み物ってオレンジジュースじゃないんですか?」
「色々あるんだよ、今飲んだのはビールだよ」
ロゼッタは缶ビールを見詰めて、不思議そうに言う。
「へー、ビールですか、なんかシュワシュワで苦い飲み物ですね……っひく……あれ?」
「ビールはアルコールだから、喉が痙攣したんじゃないの」
「アルコール?」
「ロゼッタって天使だけど物事知らないね」
「あっはい、下界に来るの初めてですので」
「初めて、オレンジジュースは?」
「友達の天使が下界に行くことがあって、お土産でもらったんです」
なるほど、まさに何も知らない箱入り娘って訳か。
僕はロゼッタの前に座ると自分の缶ビールを飲み、彼女に質問した。
「で、ロゼッタは僕を幸せにしてくれるって言ったけど、どんなことしてくれるの?」
「何でもしますよ、あっでも、魔法はダメですけど……っひく」
「へぇ、天使って魔法使えないんだ」
ロゼッタはその言葉に眉をぴくっと動かし言った。
「天使も魔法は使えますよ、でも下界に来ると制限が掛かりますから、色々制約があるんです」
「ふーん、色々大変なんだね、天使も」
「そうなんです。天使も大変なんです……っひく」
ロゼッタは顔を赤くして、ふらふらと揺れていた。
酔ったな。
「話しは戻るけど、どんな事でも良いの?」
「はい、どーんな事でもオッケー」
へらへらと笑いながらそう言うロゼッタは、ビールをぐびぐび飲んだ。
僕はロゼッタの言う事にいかがわしことを思ってしまう。
僕は唾を飲み込み、ロゼッタに言う。
「本当に、本当に何でも良いの?」
「はい何でも…っひく」
「っじゃ、ロゼッタとセックスしたいって言ったらやらせてくれるの?」
ロゼッタはふにゃふにゃと言った。
「はい、どうぞ好きなように…っひく」
マジかぁ、ロゼッタとセックス出来るのか……
僕はロゼッタを凝視した。
彼女はふわふわと身体を揺らしながら僕を見詰めていた。
ロゼッタははたから見ると小学生か中学生のように見える。
僕はロリコンじゃないが、こうも可愛く、美しいロゼッタを見ると、男をくすぶられる。
それに天使ってのもそそる理由だろう。
彼女に触りたい、僕はそっとロゼッタの腕を触った。