オンナのカラダ-10
一学期が終わり夏休みに入る。冴香はクラス全員の前で釘を差す。
「いい、みんな?2学期の中間試験でまた同じような成績だったら許さないわよ?いい成績だった人には、そりゃご褒美あげるわよ。」
「ご褒美って何ですか!?」
冴香はニコッと笑いなが言う。
「みんなの喜ぶ事よ?フフフ」
クラス全員が生唾を飲んだ。
「私をがっかりさせないでよね?夏休みを有意義に使って下さい。以上です。」
クラスは解散した。
(さ〜て、お楽しみの時間ね。明日から夏休み…、別に部活終わってからじゃなくてもいいんだもんね。充実した夏休みになりそうだわ!)
生徒にひと夏の経験を与える喜びを感じる。
全国大会まであと2日。最近では、山中は実力以上のプレーを見せている。
(マジで優勝しちゃうかも!)
それを十分に感じさせる山中だった。
しかし気がかりな事がある。プレーに力みが感じる。力むといきなりバランスを崩す事が良くある。冴香はそれを伝える。
「山中君、少しプレーに力みが感じるよ?」
「…、先生、相談があるんです。」
「じゃあ、部活が終わったら、ね?」
「はい。」
シングルスで対戦しているときにネット際で交わされた会話。みんなはプレーについてのアドバイスだと思っている。
部活が終わり、山中はいつものように教官室に入る。椅子に座る2人。冴香は山中を見つめた。