先生の手、先生の口-2
「みんなは、他の先生に、おたくのクラスは授業態度が悪い、っていつも怒られてる私を見て何とも思わないの?女を悲しませるなんて最低。最悪。違う??」
「…」
「みんなの将来の姿を想像した時、抱かれてもいいなっていう子、1人もいないわ?」
机に手をつき、前屈みになりわざと胸元を見せた。視線が集まる。
「デキル男は、中学生の頃からそういう雰囲気を持ってるものだわ?そういう子がいたら、今のうちからツバつけとくのもいいかな、なんて思ったりもするんだけどね…。」
「ツ、ツバつける…て??」
「他の女に取られないよう、ツバつけるって事よ…フフフ」
妖しく微笑む。
「ツバつけるって…ヤッちゃうって事ですか…!?」
「彼氏としてつなぎ止めておくって事よ。彼氏と彼女の関係…そういう事もあるかもしれないし、ないかもしれないし…。フフフ。でも教師が生徒に手をつけるというのはあってはいけない事だわ?でも、学校から出れば男と女だから何があるかは分からないよね?フフフ」
意味ありげな言葉にドキドキする。
「それぐらい真剣に授業受けてくれればいいのにね。」
超静かだ。しかしどうもうやむやな話に釈然としない生徒。
「中学生は恋愛の対象になるんですか…?」
「ん?フフフ」
微笑を浮かべてじっと見つめながらその生徒にゆっくりと歩み寄る。そして顔を正面から寄せながら言う。
「私は頭が良くて強いオスが好き。大人でも、子供でもね…。」
ドキドキする生徒。
「丹野君?」
「は、はい…」
「あなただけは全科目満点だったわよ?素敵だわ…?チュッ」
「!?」
おでこにキスした冴香。クラス中が目を丸くして驚く。丹野は固まってしまった。