恋愛-1
真琴は学校が終わると校内の図書館へ行き、そこで日が暮れるまで本を読み暇を潰した。それがここ一週間の真琴の日課になっていた。
日が暮れ、図書館が閉まると、真琴は各技館へ向かい、そこでジュンが出てくるのを待った。
夕暮れの日の中、真琴は各技館の出入り口の隅に立ちジュンの姿が現れるのを心待ちに待つ。
剣道部の練習が終り、片付を終えると、真っ先に各技館を出て来たのはジュンであった。
「待った?」
ジュンは急いで靴を入いたせいか、各技館の扉の段に足を躓きながら真琴の方へやって来た。
「待ってないよ、帰ろ」
真琴はそんなジュンを見てクスクス笑いながら、ジュンをおいて行く素振りで歩き始めた。
ジュンは靴を履き直すと、急いで真琴の隣りまで行き、彼はそっと真琴の手を握った。
二人は夕暮れのなか手を繋ぎ、ゆっくりと帰えった。