下校-3
ジュンは家に帰ると、何か自分の家に異変が起きている事に気付いた。
「ただいまー、誰か来てるの?」
玄関で声を上げるが応答がない、リビングに入り、何か変ってないかキョロキョロ見るが、何も変っていない、ジュンは傾げながら自分の部屋に向かおうと、後ろを振り返った。
「うっわ!」
ジュンは声をだし、驚いた。そこには綺麗なお姉さんが立ち、ジュンに微笑んでいた。
「た、タマ姉」
ジュンはそう言うとニ、三歩よろめくように後退りした。
ジュンの前に立つ彼女は、ジュンの従姉妹で名は環と言う。
赤毛の長い髪、綺麗な鼻筋、大きな瞳、そして何とも言い様のない魅力的な体、ティーシャツ姿の環であるが、女のフェロモンがその姿でもまじまじと分る。
「家に帰るの遅いのね、ジュン坊」
「タマ姉、何でいるの?」
「失礼ね、長期休みの時は遊びに来てるじゃない」
「休みの日って、もう九月だよ」
「大学生は九月も夏休みなの」
「っえー!じゃぁ……」
「そう、今日から二週間程度ここに厄介になるから宜しくね」
環はそう言うと、ジュンにウインクをした。
ジュンの顔は青ざめた。
環がこの家に来ると、ジュンにとっての自由時間が無くなるからだ。つまり、環の奴隷になるのだ。
この奴隷が辛い、環の身の回りの事は勿論、何も無いこのド田舎で環に退屈をさせない生活を心がけるのだ。ジュンは、地獄のような二週間の生活を思い描く。まさに地獄だ。