下校-2
佳奈は一生懸命に涙を拭くと、その後涙を堪え、ジュンにハンドタオルを差し出した。
「使い古しだけど、これ使って」
「ありがとう」
ジュンは笑いながらハンドタオルを受け取った。
そうしてジュンと佳奈は学校を後にした。
夜の田舎道は真っ暗だ。佳奈は目を丸々と見開き、足元を見ながら歩く。そんな佳奈を見たジュンは徐に鞄の中から懐中電灯を取り出した。
「ジュンちゃん、そんなの持ってるの」
佳奈が驚きの目で懐中電灯を見、言った。
「ああ、部活が終わるといつも暗いからね、懐中電灯は日常道具さ」
ジュンは懐中電灯を付け、足元を照らす。そして、続けて言った。
「でも懐中電灯は本当に暗い道じゃないと付ないけどね、この道はまだ明るい道だよ」
「そう?暗くて歩くの怖いよ」
「なれれば見えるようになるさ」
「私は毎日暗い道歩かないから慣れなくていいの」
「はいはい、それより佳奈」
「ん?」
ジュンは声のトーンを低めにして言った。
「彼氏出来たんだろ?良いのかよ、僕と帰ってて」
「え…」
佳奈は詰ると、一拍おいてジュンに訪ねた。
「ジュンちゃん何で知ってるの?」
「剣道部の鈴木に聞いたんだ。確か、3組の堀田だったよね」
「うん……」
「なんか以外だな、佳奈はもっと真面目な奴と付き合うのかと思ってたよ」
「気になる?」
「え」
「気になる、ジュンちゃん。私の事」
「そりゃー、気になるよ、幼馴染みだし……」
「幼馴染みだから、それだけ?」
ジュンはやけにしつこく聞く佳奈にたじろぎながら言った。
「それだけって、それだけじゃダメなの」
佳奈はその言葉に不機嫌な態度になった。
「もういいよ、ジュンちゃんはいっつもそうなんだから」
「なんだよ、僕に何を言わせたいんだよ」
「知らない!」
佳奈はそう言うと、プイとそっぽを向いた。ジュンは頭を傾げながら、佳奈を宥めようとしたが、目屋村に着いても佳奈の機嫌は治らなかった。
「じゃ、また明日学校で」
佳奈の家の前でジュンが言う、佳奈はまだ機嫌が悪いが、ジュンに手を振り、二人は別れた。