雨宿り-5
数十秒後、僕の予想は当った。
「あービショビショ」
僕はその人を凝視した。
僕と同じ学校の制服。最初思ったのはそのことだが、その後直ぐに、僕の心臓は高鳴った。
憧れの三年の先輩、槙野 真琴先輩だ。彼女はずぶ濡れで、さっきまで走ってたせいか、息が荒く、顔が火照っていた。僕は息を飲んだ。
彼女のロングヘアーがこんなにも乱れ、濡れ、そして前髪から可愛いオデコが見える。お嬢様的存在の槙野先輩がこんなにも乱れた姿をして、僕の前にいるなんて、少し動揺するな。