夜の公園-1
−−−1ヶ月後‥‥‥
智美は夜の公園のベンチに腰を下ろしていた。
自宅から車で一時間ほどかかるその公園は、智美が高校時代に何度かタケルと散歩をしに訪れた場所だった。
智美はその公園でタケルと待ち合わせをしていた。
「例の雑誌が出来上がったから直接渡したい」
数日前にタケルからそんな電話があった。
旦那には高校時代の女友達と久しぶりに会ってくると伝え、家を出てきた。
智美は久しぶりのタケルとの再開に胸を踊らせていた。
久々にタイトなミニスカートに脚を通し、上着には薄いピンク色をしたカジュアルなブラウスに身を包んでいた。
少しぴったりしたブラウスからはCカップサイズの程よい大きさの胸の膨らみが突起し、少し透けているブラジャーがまた色気を漂わせている。
一方タイトなミニスカートには智美の大きな美尻ラインがくっきりと浮かび上がり、こちらは色気というよりは卑猥な雰囲気を醸し出していた。
約束の時間が近づき、智美は辺りを見渡す。
すると薄暗い雰囲気の中、智美の方へ歩いてくる二人の男性に智美は気付いた。
(あれ?一人じゃないのかな?)
しかし近づくにつれタケルじゃない事を確認すると、目が合うのを避けるため智美は下を向き、通り過ぎるのを待った。
するとその男性の一人が智美に声をかけてきた。
「智美さん‥‥かな?」
智美は驚き顔を上げると、見覚えのない男性がそこに立っていた。
「あ‥はい‥
そうですけど‥‥。」
すると男性が申し訳なさそうに話しかけてくる。
「いやいやびっくりさせて申し訳ない!
私はタケルの上司をやっとる小林と言いまして‥
それでコイツがタケルの同僚の竹村です!」
連れの竹村が智美に向かって軽く会釈をする。
パッと見た感じ、上司の小林は40代後半といったところだろう。
短髪とガタイの良さから見て、いかにも体育会系の雰囲気を醸し出している。
一方連れの竹村は対照的で、若くしてメタボ気味体系で髪はボサボサ。
それに加えセンスのない眼鏡をかけている。
こちらはいかにもオタク系といったところだ。
「実はね智美さん、タケルの奴が急な会議に呼び出されちまってさ、抜け出せないし連絡もできないから、これを渡して欲しいなんて頼まれちまってね!」
小林はそう言うと例の雑誌を智美に見せた。
「あぁ‥‥そうなんですか‥‥
それじゃしょうがないですね‥」
久しぶりの再会に胸を踊らせていた智美は、気の抜けたような声で返事をした。
「ちょっと失礼!」
小林はそう言うと智美の脇に腰かけた。
それと同時に竹村も智美の脇に腰かける。
タケルが来れなくなった挙げ句、見知らぬ男性に両脇を固められ、智美は少し気分を悪くしていた。
「智美さん結婚してるんだって?
こんなの書いてバレたらまずいでしょうに!
まぁもっともバレることはまずないでしょうけどね!」
上司の小林が気さくに話しかけてくるが、智美は適当に相づちを打っていた。
「それより奥さん。
例の体験談‥
読ませてもらいましたよ。
まさかこんな綺麗な人があんな淫らな経験してるとはねぇ‥
今もスケベなことしてるのかい?」
「い‥いえ‥
今はそんなことしてません‥‥
もう昔の話しですから‥‥」
智美は気まずさから顔をうつむかせる。
「そうですか奥さん?
今もずいぶんといやらしい格好しちゃって。
ブラジャーが透けてるし、短いスカートのせいでムッチリとした太ももが丸出しじゃないですか。」
小林がそんなセクハラじみた言葉をかけてくると同時に、智美は両脇から舐め回すような視線を感じた。