少女-3
好きとはいえ、かなり取っ付きにくいぞ、どうしよう……
と、僕がたじろいでいると彼女は僕に質問をしてきた。
「…あの、一人旅ですか?」
声が小さく聞き取りにくいが、その薄気味悪い声に僕は興奮した。
「ああ、そうだよ」
「……そうですか、では宿泊先は決まっているんですか?」
「いや、決まってないんだ。放浪旅だからね」
「……そうですか、放浪旅ですか、それは良いですね……ヒヒヒヒヒ」
少女は小さく笑っていたような気がした、不気味な笑いが微かに聞こえたのだ。
少女は随分沈黙した後、僕に言った。
「……では、私の家に泊りに来ませんか、母も父も………で、寂しかったんです…………ですよ。」
話しが部分的に小さい声で聞こえない、でも、これって泊りに来て良いよ、だよね。何だ、この娘かなりの電波か?
「いや、見ず知らずの僕に泊って良いよって言われても、僕は嬉しいけど、君はそれで良いのかい?」
「……ええ、う○い棒くれる人に悪い人はいないから、それに………ヒヒヒ」
大丈夫かこの娘、電波じゃなくて、ラリってるぞ、でも、このまま断るのは嫌だな、ここは少女の家に厄介になろう。
「じゃ、厄介になろうかな」
僕がそう言うと、少女は何も言わず歩き始め、僕は頭を傾げながら少女の後ろに付いて行った。