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天人異聞伝
【ファンタジー 官能小説】

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イーゴア-1

シャンレンは人跡未踏とも言われる山の奥地に住んでいた。
そこへ金銀を積み敗戦国ユエ国の参謀ファン・リーリが尋ねて来た。
彼はシャンレンの前に1人の娘を差し出した。

「ユエ国の後宮に入れようと思っております。イーゴアです。
この娘を娘のままで磨いて頂きたい。」

シャンレンは胸まで伸びる白い顎ひげを撫で、イーゴアを値踏みしながら言った。

「さて、どのように?」
「男の精気を吸い取り死に至らしめるほどの美女に」
「ふむ・・・さては敵国のウーワン国に献上する積もりだな。面白い。やってみよう」

ファン・リーリは金銀をシャンレンの前に置くと都に戻って行った。


シャンレンはイーゴアに服を脱げと命じた。
怯えたイーゴアは震えながら全裸になった。シャンレンは舌打ちをした。

「目鼻立ちは良いが、色が浅黒い。おまけに足が太い。
足先の手入れも十分ではない。髪の毛は艶もなく。体が固い。」

裸で震えているイーゴアの体を容赦なく触って、最後には女陰までも足を開かせ確かめた。

「救いになるのはまだ男を知らぬというところか。さて……。」

シャンレンはイーゴアに作業用の服を与えると、自分についてくるように言った。
洞窟の奥に行くと、シャンレンは長さ3尺ほどもある太い棍棒のようなものを取り出してイーゴアに手渡した。

「ケンツァオ・クーイーだ。お前を美しくしてくれる大事なものだ。
それを持ってついてくるがいい。」

松脂の塊のようなケンツァオ・クーイーを大事に抱えるとイーゴアは老人の後に従った。
谷川が流れる所に来ると、イーゴアに命じて川の石を運んでカマドを作り、焚き木を集めて火を起こさせた。
またその上に水を汲んだ大鍋を載せるように命じた。
さらに洞窟に戻ると二人がかりで長方形の木製の湯船を運んだ。
湯船に川の水と湧いた湯を混ぜて人肌の生暖かい湯加減にすると、イーゴアが運んで来たケンツァオ・クーイーをそこに浸した。
シャンレンはイーゴアに言い渡した。

「良いか。この温度を保ち続けるために、焚き木を集め、川の水を汲み、湯を足すのだ。1日中それを続けよ。
明日の昼まで眠らずに行うのだ。
また湯船の湯が濁ったり、匂いがすることのないように、常に入れ替えること。」

イーゴアはシャンレンが恐ろしかった。
西のシー村の貧しい家の娘イーゴアはある日、川で洗濯している所をファン・リーリにスカウトされた。
だが、彼はすぐにイーゴアを後宮に連れて行かずに、ここに連れて来たのだ。

イーゴアは川の水を汲んで鍋に足し、鍋の湯を湯船に足して、焚き木を拾い、カマドに入れた。
この仕事が意外と難しかった。
カマドの火は絶えず強く燃やさなければならず、湯船の湯は常に人肌に保たなければならない。
しかも湯が濁らないように少しずつ捨てて、少しずつ熱湯を注ぎ足す。
夜通しそれを続け睡魔と闘った。
夜が明けて湯船の中のケンツァオ・クーイーはすっかり水分を吸ってイーゴアの体よりも大きく膨らんだ。
眠い目を擦りふらふらしながら湯を足していると、とうとう幻覚を見た。
青黒いケンツァオ・クーイーの中が青白く光ったのだ。
 


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