雅江への異常なる執着-1
健太郎は七恵を自宅のアパートに招く。近い将来、義理の妹…親族となる女だ。もうセフレではない。抱く事も考えていなかった。
一方七恵も、姉の旦那になるであろう健太郎を見る目が今までとはどこか違った。さっきまでセックスする関係だったのに、自分でも不思議だった。
「七恵?俺は少し…いや、かなり変わってるかもしれないぞ?普通の男とは恋愛感情の抱き方が全く違うと思うよ。俺が事務員達にしてきた事、お前にした事を考えれば、なんとなく分かるだろ?」
「私はすべてを受け入れるよ?だってお姉ちゃんが愛して止まない人だもん。」
「そうか…。」
七恵は、きっと衝撃を受けるんだろうな、と思いながらも、健太郎の言葉を肯定的に受け止めようと決めていた。
「ちょっと一服してもいいか?」
「うん。」
煙草を吸う健太郎。どこか緊張している様子が意外だった。何をするにしても迷いなど感じた事はないが、こんな健太郎を見るのは初めてだ。
「川田くん、緊張してるの?」
「ん?あ、ああ。緊張してるな。」
ニコッと笑った。ドキッとするような笑顔だった。事務員を散々弄んできた男の笑顔だとはとても信じられない程の笑顔だ。
「川田くんもそういう笑顔、するんだ。」
「たまには、ね?」
「なんか、本当にお義兄さんと一緒にいるみたい。」
「まぁ、殆どそうだからね。」
今までにない雰囲気に七恵まで緊張してきた。
しかし煙草を消すと、一気に表情が締まる。
「じゃあ俺の雅江への思いを全て教えてやるよ。」
健太郎は雅江への思いを話し始める。